今年も終わりなので例によって(といいつつ2023年やってないんですね)書こうと思います。なお今年も何も成していません こういうのってもっと色々テーマ別に頻繁にブログを書いていったほうが良いんじゃね?と思わんこともないんですが気づいたときには年末になっています。ではではタイプライターも引っ張り出して気分はもう自動手記人形なので、早速ごった煮の振り返りをやっていきます。そのころ取り組んでいた技術、読んでいた本、はまった音楽、参加したイベント、全部書きます
1月
このころはメール、特に送信者認証技術に関心がありました。きっかけは忘れましたがgmailのガイドラインが変更されてSPF/DKIM/DMARCの実装が急がれる時期だったので耳に入ってきやすかったんだと思います。そんなわけでpostfixとdovecotを立てて、私が持っている自前ドメインでメールの送受信ができるようにサーバを構築して遊んでいました。メールログの出力だったりソフトウェアの設定をいじって挙動が変わる様子を見られてなかなか面白かったです。送信者認証用のDNSレコードの設定もだいぶ理解が進みました。なお、基本自前のメールサーバは使わないので、ひとしきり遊んだら構築の方法だけまとめてサーバは潰しました。メールサーバはスパム対策もしんどいので...。
また、旅行で山形と福島に行きました。毎回休暇をとってから予定を立てるので色々突貫で準備するんですが、やはり冬なんで雪国に行ったろうということで北を選びました。温泉地なのと近くで樹氷が見られるという話で山形は蔵王へ。樹氷はかなり壮観でした。木が雪で覆われるくらい寒いところまで行くのでかなり標高も高くとんでもなく寒い場所だったんですが、行った甲斐がありました。写真を取るために手を大気に晒したら数秒でかじかむほどの極寒だったんですがあまりの景色に長居してしまい、下山してからすぐ宿の温泉に駆け込みました。
そして山形へは新幹線で行ったので、帰りも新幹線はもったいなかろう(???)ということで、在来線で変えることにしたんですが、途中の郡山あたりですぐ帰るのがもったいなくなって日本海側へ向かってみるかと思ってぐいっと進路を変えました。というのも、只見線に乗ってみたかったんですよね。数年前にやっていた「鉄オタ道子、2万キロ」という深夜ドラマがボケっと見られる感じで結構気に入っていたんですが、そこに出てきた秘境駅ってやつに行ってみたくて。思い立った日はもう電車がなかったので、磐梯熱海というところに泊まって次の日に行くことにしました。泊まったのはたまたまだったんですが、この磐梯熱海、温泉むすめがいたんですね。観光案内所にグッズがめちゃくちゃおいてあって可愛かったのでアクキーを買いました。なお翌日、風がむちゃくちゃ強くて警報が出たので只見線を断念して普通に在来線で帰りました、無念...。
あとSLIMの月面着陸がありましたね、配信にかじりついて見てました。
読んだ本
2月、3月、4月
なんといってもH3ですね、心からの賛辞を。あとデカいイカが飛びましたね、毎度驚かされている気がしますが迫力がありました。
この頃はほとんど資格試験対策やってたので特に面白いことはしてません。たぶんTuring CompleteでTuring Completeまではやった気がします。
あと、あまり音楽シーンには詳しくないのでなんていうジャンルなのかは知らないんですが KOTONOHOUSE、TEMPLIME、星宮ととといったトラックメーカーの音楽にものすっごいハマりました。もともとイノタクのDJを聞きたいな〜と思っていて、そのあたりの曲を聞いていたらランダム再生で流れた曲が見事刺さり、早速周年What'sに足を運びました。無条件でノリノリになれるメロディーは聞いてて楽しいです。
読んだ本
ハッカーと画家、数ヶ月前に読んだんですがこの一節は強烈に覚えています。個人的にかつてのセンスを失っている感覚があったので妙に刺さりました。この頃の資格試験対策にまみれた休日を振り返って、再びパソコンに向かう起爆剤を得たのでした。また読み返したい
何かをうまくやるためには、それを愛していなければならない。 ハッキングがあなたがやりたくてたまらないことである限りは、それがうまくできるようになる可能性が高いだろう。 14歳の頃に感じた、プログラミングに対するセンス•オブ•ワンダーを忘れないようにしよう。 今の仕事で脳味噌が腐っていってるんじゃないかと心配しているとしたら、多分腐っているよ。
5月、6月
東京都薬用植物園へケシの一般公開を見に行きました。けしの花ってかなりきれいなんですね
あとGOLD DISCに行きました。すっかりデカイ音を浴びる楽しさに目覚めました。
技術的なトピックとしては、6月末頃からはCPUの気持ちを理解しようと頑張り始めた時期です。定期的にやってくるCPUとなかよくなりたい気分なんですが、今回は仕組みだけでなくきちんと実装に近いこともやろうと思い、RV32Iを実装してみることにしました。「RISC-Vで学ぶコンピュータアーキテクチャ 完全入門」という書籍がステップバイステップでCPUを作っていく感じで仕組みの理解がかなりしやすくとてもおもしろく読んでいました。verilogのソースコードも載っているのでこのとおりに書いて写経していくというのもありだったんですが、2,3,4月に書いたとおり全然プログラムを書いていなかったんですね。なんとなく焦燥感があって、同じことをやる普通のプログラムでも書いてみるか、となりRustで同じロジックを書いていくという作業を始めました。書いてさくっと実行できて、仕様の理解という目的は外しませんし、あえてRustのいろんな機能を使ってコードを書いていくという作業をすることでプログラミングのリハビリをやっていました。最初はプログラミングのリハビリという目的を帯びていたこの開発ですが、まぁ最終的には普通にFPGAボードなんかで1人版ショボCPU実験とかやってもいいな、みたいな気分になるんですよね(わかっていたことではありますが)。そのうち、FPGAにもちゃんと入門して実際に動くハードウェアとしてのCPUをつくってみるつもりでいます。
読んだ本
7月、8月
平日が異常に忙しくしており、休日はちまちまと6月の続きをやっていました。気が狂いそうだったのでこの時期からコンテンツの摂取量が増えたのですが、その流れでこの後の小説の消費量が増えています。映画も普段からしたら結構見るようになりました。夏はフライミートゥーザムーンが面白かったです。
あとはkernel/vmを初めて現地で聴講しました。なんやかんや、現地にいるほうが体験としてはいいのでまた行って話を聞きたいです。
8月の末は石垣島に旅行に行きました。一人で無限に島内や近隣の離島を回るという計画でひたすら島をさまよいました。VERA石垣島観測局にも赴いて電波望遠鏡を間近で見るなどしていて、たまたまローテータが派手に動くタイミングに居合わせたのですが、結構速く動くので迫力がありました。
読んだ本
- コンピュータの構成と設計(パタヘネ)上
- 動物農場 ジョージ・オーウェル
- 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部みんなの話
- 闘争領域の拡大 M・ウェルベック
- くちなし 彩瀬まる
- 若きウェルテルの悩み ゲーテ
- 服従 M・ウェルベック
- 第七官界彷徨 尾崎翠
- 工場日記 シモーヌ・ヴェイユ
9月
NT東京とMFTに行きました。先輩と行ったんですが、こういうイベントのときに面白い質問をしてブースの人に圧倒的な情報量を提供してもらえるような質問力を身に着けたいという話になって「わっかるぅー」となっていました。ものづくり系のイベントは見るの自体も好きなのであれば行くんですが、採用されている技術についてもっと深く知っていれば、モノの仕組みや、他のものと比較して「こういうところが難しいですよねー」みたいな会話ができるとより楽しめるはずだと思いつつ、毎回知らないことが増えるのでメモして帰ってくることになっています。k/vmあたりからよく知らない単語やちょっとした感想は雑メモに残しておいて、暇なときにネットサーフィンすると言う習慣がつきました。MFTではよく物を見てなんとなく気になったことを聞いてみたりして、開発者の方とお話することができたので若干の成長がありました。まぁそれはそれとして、両イベントともに楽しかったです。魔改造の夜の影響でそこかしこに電マ駆動モービルが爆走していて笑いました。
この時期L3SWを家に導入して今の家庭用ルータ単騎体制よりは複雑なネットワークが家の中で組めるようになったのでラボ環境などが構築しやすくなったと思います。異なるVLANから選択的にインターネットアクセスを許可したいときの構成を考えていたのですが「結局ルータと同じVLANにプロキシ立てるのが一番ラクなんじゃね」と思い至ったので、ミニPCを買って仮想化基盤を構築して行こうかなと構想中です。
読んだ本
10月
暴力的にカワイイに行きました。野外でいろんなエリアを自由に見ながら昼から晩までノリのいい曲を浴び続けるのは本当に楽しくて動画をバシバシとってました。最後らへんのPSYQUIがあまりにもよくて、一帯が盛り上がりすぎてまさにお祭りでした。年のはじめにはまってからいろんな曲を開拓していったのもあって知っている人が増えたのもプラスに働き、周年What'sのときよりも楽しめた気がします。雰囲気を味わうために買った現地の酒は不思議な味がしました。
また、10月は一般公開シーズンだったので各種研究所に見学に行く予定を立てていました。風邪を引いたせいで三鷹の国立天文台には行くことができず、原科研の核融合炉の見学を申し込んだところ見事チケットがご用意されず落胆していたんですが、JAXAつくばには行くことができました。電波望遠鏡の中央管制室がつくばにあり、普段は職員も入室制限がかかっているらしいのですが一般公開してくれるというコンテンツの充実ぶり。13mチャンバーや振動試験、音響試験の設備などもガラス越しに見られてスケールの大きさに見入ってしまいました。(私はCubeSatクラスの試験設備しか生で見たことがなかったので...)。ポスターセッションブースでは最近のJ-SSOD放出の状況などを聞いたり、理学系の研究について「なんもわからん」って思いながらとりあえずガチの素人質問を投げてブースの人が意味を図りかねて困らせてしまう事案があり反省したりしました。
読んだ本
- ライ麦畑でつかまえて サリンジャー
- 遠くの声に耳を澄ませて 宮下奈都
- 骨を彩る 彩瀬まる
- すいかの匂い 江國香織
- 神様のケーキを頬張るまで 彩瀬まる
11月
一般公開シーズンも終盤になり、最後は理研神戸まで富岳を見に行ってきました。かなりきれいなデータセンターだったのと、水冷が冷却能力の9割ほどを担っているせいか相当静かだったのを除くと割と普通のデータセンターでしたが細かいところを見ていくとかなり見ごたえがありました。一般に見せてくれているのだから書いてもいいだろうと思いつつ詳細は省きますが、ラックの部材や機器の物理的配置にも細々としたこだわりがあるようでした。全部同じ計算機で構成されたスパコンが24/365でいろんなジョブを稼働させているので保守運用の対応フローも気になっていたのですが職員さんに質問したら色々と教えてくれました。研究紹介ブースでは運用側とは打って変わって、実際に使う側の話を聞いたのですがこれがなかなか低レイヤな話題満載でかなり面白かったです。富岳はARMを採用したアーキテクチャのコンピュータですが、SPARCを採用していた京と比べたときには複素数命令を使う分野では小回りが効かなかったり、レジスタもSPARCのほうが多く使い勝手が良かった部分もあったため、場合によってはハードウェアドライバをいじったり、ARMのカスタム命令を作ったりする話を聞きました。完全に計算機をエンジニアリングしていて、物理の計算機シミュレーションとは明らかに違うことをやっている話を私は面白く聞いていましたが本人は当時「なんで計算機のデバッグをやらなあかんねん」という気分でいたことでしょう。
技術書典も行きました。かなりブースの人と楽しく会話できるようになったのを実感しました。パラパラめくって色々質問して本に書いていない細々とした話なども聞けて、「私こういうことを他の人と話したくて本出したんですよね」と言ってもらえた時は嬉しかったです。あとはArchLinuxを普段遣いする本を出しているブースがあり、デスクトップLinuxでArchユーザの私としては立ち止まらないわけにはいかず少し話をしたのですが、他のお客さんともデスクトップ環境の構成について色々語れてなかなか楽しかったです。
この頃からpwn.collegeというサイトでpwnable系のCTFを一度基礎の基礎から学んでみることにしました。dojoというシステムがあり、簡単な課題からステップバイステップで問題を解いていくことができ、少しでも進捗が出るので休日にやる内容としてちょうどいい感じがして気に入っています(わからない問題を解いて何もわからず日が暮れるととても悲しいので)。ボリューミーなので全然終わらないのですがスキマ時間にやっています。
読んだ本
12月
自作OSで学ぶマイクロカーネルの設計と実装というシマエナガの表紙がカワイイ本を読み始めました。今まで本を写経する形で進めていたOS開発ですが、スモールスタートでいいのでOSの機能をなんとか自力でかけるようになりたいなーと思ったので小規模から始められそうというのと「1000行で作るOS」という教材があってスタートの補助がついているので一旦取り組み始めることにしました。
でも12月のトピックとして一番はこれです。
\デーン!/(筐体の写真を撮ると筆者の姿が映り込むので抽象度の高い画像でお送りしております)
ついに3Dプリンタを買いました。
フィラメントをエクスクルーダーにいれるところやタッチパネルをはめ込むところで手間取りましたが、セットアップさえしてしまえばかなりきれいに印刷できました。さーてこれで雑にいろんな物体を量産すっぞ!と思ったのですが致命的な問題が一つ、私の家にはまともに3DCADが動くwindowsマシンがありません。ということでもうそこそこ高額な買い物をしてしまった勢いでwindowsのノートPCを買うことにしました。ノートなのは諸事情あるんですが、安くでそこそこのスペックがあるモデルが見つかってよかったです。というわけで、令和の三種の神器、はんだごて、オシロスコープ、3Dプリンタが揃ったのでなんでもできます。来年はいろんなものを作れる一年にしたいところです。
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読んだ本
- 自作OSで学ぶマイクロカーネルの設計と実装
- プロジェクト・ヘイル・メアリー下 アンディ・ウィアー
- 星々たち 桜木紫乃
- AMEBIC 金原ひとみ
- インストール 綿矢りさ
- 若き数学者への手紙 イアン・スチュアート
来年は?
トピックごとにちまちま取り組んで入るのですが、なにか最終的な形にしたものがほしいなと思います。見世物程度でいいのですがプロダクト1品とか、同人誌一冊とか生み出せると良いな...
あとこのブログタイトル、思いつきで作ったせいで適当なまま放置しているのでなんかおしゃれな名前にしたい